廃墟

mixiというSNSがあった。

今は廃墟になっている。

廃墟

mixiというSNSがあった。

今は廃墟になっている。

旬を過ぎたら

30分も早く着いた。それでも集合場所にはすでに髪の長い女が一人いた。

まだ照明が落とされたままのホールで懐炉をシャカシャカ振っている。女としての旬は終わったというような雰囲気がある。一方の俺もすでに青春は終わっている。旬をすぎると、こうも惨めに映るものかと女を見ていると思ってしまう。

ホールの暗さもあり、退廃的な気分になる。

ホールの照明がついたり消えたりして会場の準備が慌ただしくなってきた。数人の参加者が同時に入ってきた。

準備中の係員がめんどくさそうにソファーを指差して小さな声で座るよう促した。寒いから座ってお待ちくださいというようなことを言った。ソファーに座っても寒さが和らぐわけではない。

さらに数人入ってきてホールのソファーに座った。集合時間に30分も早く来るのはなぜか旬を過ぎた人間ばかりに思える。青春を謳歌していたり、エネルギーに溢れた人間は30分も待つというようなことはしないのだろう。

手をこすり合せる者、本を取り出す者、20人ほど集まっているのにほとんど話し声はない。

10人ほどのグループが準備中の係員に大きな声で挨拶しながら入ってきた。明らかに異質な登場は、旬を過ぎた人間と、まだ旬の中にいる人間との違いを残酷なほど強調した。ほとんどがうつむいていた俺を含む旬を過ぎた人間たちは一瞬顔を上げ、自分たちとは違う人間を見た。そして明らかな違いを感じ取って目をそらすように、また視線を下げた。

人の集まるペースが上がってきた。話し声は旬の人間たちのものだ。旬の人間は期待を持って視線を動かす。旬を過ぎた人間は不安を持って視線を動かす。いくら人が増えて集団に紛れても隠せない違いがある。

きっかけというものが存在しない状態に荒っぽくおはようございますと声が響き、そうしなければならないかのように、乱暴な口調で受け付けの説明を係員がした。威圧的な印象を受けたがそれは旬を過ぎた人間だからだろう。すぐに長い列を作ったのは旬の人間でそれに続いて並んだのは旬を過ぎた人間だ。俺は長い列の最後尾に並んだ。

旬を過ぎたら

30分も早く着いた。それでも集合場所にはすでに髪の長い女が一人いた。

まだ照明が落とされたままのホールで懐炉をシャカシャカ振っている。女としての旬は終わったというような雰囲気がある。一方の俺もすでに青春は終わっている。旬をすぎると、こうも惨めに映るものかと女を見ていると思ってしまう。

ホールの暗さもあり、退廃的な気分になる。

ホールの照明がついたり消えたりして会場の準備が慌ただしくなってきた。数人の参加者が同時に入ってきた。

準備中の係員がめんどくさそうにソファーを指差して小さな声で座るよう促した。寒いから座ってお待ちくださいというようなことを言った。ソファーに座っても寒さが和らぐわけではない。

さらに数人入ってきてホールのソファーに座った。集合時間に30分も早く来るのはなぜか旬を過ぎた人間ばかりに思える。青春を謳歌していたり、エネルギーに溢れた人間は30分も待つというようなことはしないのだろう。

手をこすり合せる者、本を取り出す者、20人ほど集まっているのにほとんど話し声はない。

10人ほどのグループが準備中の係員に大きな声で挨拶しながら入ってきた。明らかに異質な登場は、旬を過ぎた人間と、まだ旬の中にいる人間との違いを残酷なほど強調した。ほとんどがうつむいていた俺を含む旬を過ぎた人間たちは一瞬顔を上げ、自分たちとは違う人間を見た。そして明らかな違いを感じ取って目をそらすように、また視線を下げた。

人の集まるペースが上がってきた。話し声は旬の人間たちのものだ。旬の人間は期待を持って視線を動かす。旬を過ぎた人間は不安を持って視線を動かす。いくら人が増えて集団に紛れても隠せない違いがある。

きっかけというものが存在しない状態に荒っぽくおはようございますと声が響き、そうしなければならないかのように、乱暴な口調で受け付けの説明を係員がした。威圧的な印象を受けたがそれは旬を過ぎた人間だからだろう。すぐに長い列を作ったのは旬の人間でそれに続いて並んだのは旬を過ぎた人間だ。俺は長い列の最後尾に並んだ。