目を醒ますと、外は暗くなっていた。快速列車が減速を始めている。車内は立っている人がちらほら。
体が進行方向に引っ張られて快速列車は停車した。大きい駅だろうか、他のホームの発車ベルが聞こえる。
熱波が足や顔を包む。ホームが少し前まで夕焼けに照らされていたことがわかる。
熱源が車内になだれ込んできた。ドアが閉まったのに体が熱い。今日は何かのイベントなのか、お揃いのタオルを首に掛けた人が多い。熱波の間をすり抜けるように、エアコンの冷風が届いて心地良い。
ひとつのアルバムが終わって山下達郎の高気圧ガールが流れ始めた。車内のざわめきが混じって聞こえてくる。
車内アナウンスが聞き慣れた駅名を告げた。風の回廊のBメロに差し掛かっていた。
早送りで次の曲に変えて熱波の溢れるホームに降り立つ。アトムの子がAメロに入ろうとしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿