ふとした瞬間に、思い出したりするものですか。
僕の心の中では、思い出がまるで紙吹雪のように舞っています。
彼処で降る雪は、この世界が終わるまで降り続くように思いました。
それは、同時にこの世界は終わらないという事を教えてくれているようでした。
降り積もった雪道を自転車で走りました。それは一年目の冬でした。
降った雪は溶けずに地面を覆う砂のように積もりました。
肌に突き刺さるような風が、砂の雪を舞い上げて、辺りは白一色になりました。
厳しい冬の寒さも、夏の暑さも、何故かすがすがしさを感じました。
カサカサになった唇も、汗ばんだ体も、触れ合うことを拒みませんでした。
まるで心が裸になったような気分でした。
全ての出来事が僕の心に直接作用しました。
この物語は記述することができません。
心の作用を言葉にできないからです。
そして、僕はまだ物語の続きを夢見る子どものようです。
全てがあの場所で完結する物語。
続きはない。
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