思い出した。
物質世界に生きるより、精神世界に生きようと、いつかの日に誓ったことを。
『文学的思考へのいざない』 大河原忠蔵 著
この本で感銘を受けた。
実は、この本に私の母が登場する。
大衆に蔓延する「マナー」という名の行動様式。
私は、なぜそれを侮蔑するのか。
それは、それらが「本質」ではないからだ。
無駄なものを全て省き、そして、時節によって変化するものも全て省いていくと本質が残る。
マナーは本質だろうか。
否。
コミュニケーションという感情のやり取りからいくつかの方法を切り取ったに過ぎない。
しかし、世間では本質よりも、マナーという現象が重要視されている。
現象はどのような方法で実現されようとも関係がない。
本質を伴わない、マナーという現象のみがもてはやされるのは如何なものか。
本質を見失ったとき、本質の追究を止めたとき、人は大切なものを失い、自身をも失う。
マナーという現象を結果として得ることは容易である。
その結果、本質を見失い精神世界の豊饒の機会を逃す。
0 件のコメント:
コメントを投稿