大切なおもちゃもいつかは動かなくなる。壊れてしまう。
それなら、自分の手で壊してしまおう。
狂おしいほど愛しても、愛されても、いつかは愛されなくなる。
それなら、自分の手で壊してしまおう。
僕は何かを得るとき、それを失うことを覚悟する。
失うことに自分が耐えられないなら、自ら拒絶する。
いつか失う命なら、自分の手で捨ててしまいたい。
僕はそれ以来、恋人にはなれなかった。
自分の命でさえ大切にできない人間になった。そんな人間を好きになる人なんているはずもなかった。
僕は死を知らない。それでも解る。死は永遠を与えてくれるだろう。
しかし、その永遠を享受できるのか。
それは、絶対に解けない問題だった。
続きます。
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