2008/12/30

SOS

墜ちる飛行船の中で堕ちていく私は自分以外の事象とは全く切り離されていて正しく繰り返される日常という名の鉄格子を憎む事に意識を向けていた。

酸素が欠乏した状態に陥ったのは一酸化炭素が血中のヘモグロビンと結合したためでそれを日常とするのか非日常とするのかは精密な思考を必要とする作業であるため朦朧とする意識の中では不可能に近い作業であった。

昇ってゆく景色は落ちてゆく光を映し出し同時に新たな光を浮かび上がらせるという緻密な繰り返しを見せつけるだけで私に何の感情も抱かせないという固い決意を示しているようだった。

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