僕は10年ほど前、うつ状態であると診断された。
症状自体は診断後3、4年で改善された。その間、うつ状態からくる色々な困難があったが、今はもうそのこと自体を悔やんでいるわけではない。
10年ほど経った今、冷静に振り返ってみると、些細なことや取るに足らない小さな挫折がうつ状態のきっかけだったのではないかと思う。
しかし、最近になって重大な後遺症に苦しんでいることを自覚するようになった。
その後遺症というのは、勇気が持てない状態のことだ。
うつ状態になってからの3、4年間、そして症状が改善されてから現在に至るまで、勇気が湧くなんてことは全くなかった。
うつ状態であった時は当然なのだが、症状が改善されてからも、「うつ状態だった」という過去を引きずる形で勇気を出せずにいた。
それは、うつ状態(だった)の自分を否定しながらも、行為の結果として受け入れ肯定している間抜けな姿だったのかもしれないが。
「勇気があればな」と思うことも多くなってきた。自分に対する自信を持ちたい。
完全に自信喪失状態にあり、勇気を失った自分が情けない。
難しいことに挑戦し、向上心がにじみ出る同世代の人が輝いて見える。
挑戦や努力なんてものは、それらの結果として酬われてきた人間のすることなのではないかとまで考えてしまう。
そういう人間は、自分とは違う生き物なのではないかとさえ思える。
こういうことを考えて、僕はまだ自分がうつ状態の中にいるのだと再認識させられてしまうのだ。
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