2009/07/14

そら見たことか

君が見上げた空に雲はありますか。
こちらはうっすらと雲がかかっています。
僕にはわかります。君が今、見上げた空は雲一つ無い真っ青な空でしょう。
きっと僕にはその青さは理解できないものです。
君のいる世界は、僕には想像することすらできません。
でもそれが、僕が君のことを諦める手助けをしているのでしょう。

僕が君のいる世界に着く時、君はまだあの時のまま丘の上で待っていてくれるのでしょうか。
君のいる世界に丘はありますか。
さわやかな風が吹き、君の髪を揺らしていますか。
時折吹く強い風に飛ばされないよう、帽子を押さえないといけませんね。
嗚呼、君は世界記録を持ったアスリートでも、ノーベル賞を受賞した学者でもない。
君は全く気にしていないようでしたが、君はもっと評価されるべき人でした。
君が目に掛かった髪を払う仕草は、どんな法則を持ち出しても解明できない美しさを持っていました。

そして、僕はそんな君のことをもっと誇りに思うべきだったのです。
だから君は、僕の手の届かないところに行ってしまった。
僕もそちらへ向かうことにします。
少しばかり遠いようですが、僕は君のいる世界へ参ります。
途方に暮れるのも良いんじゃないかしら。

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