2009/04/30

「生物としては同じ存在であるという確証もなく」Vol.4

切る場所が残っているうちは、どんどん切った。傷が治ったらその上を切った。

外に出るときは、大音量で音楽を聞いた。何を聞いてるのかはどうでもよかった。孤立を求めた。
僕は感情を殺した。

他人には見えないものが見えるようになった。机の上に黒い鞄が見えた。誰かの忘れ物なのだと思って近づくと、本当は何もなかった。ソファーには人が座っていた。景色が揺れていた。暑くもなく寒くもなかった。
僕は僕の中に住んでいた。

そして、今も僕は僕の中に住む。決して居心地はよくないけれど、ここにしか僕の存在を許してくれる場所は無い。
生きる意欲も無いままだ。

時々、カミソリを腕に当てて考える。君は生きてるかい。
終わりです。

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